生鮮・食品の卸をしていると、毎日こんな業務に追われていませんか。
- 各店舗から「今これだけ残っています」という在庫報告が届く
- それを見ながら「じゃあ今日はこれだけ納品しよう」と数を決める
- 決めた数で納品書を作って、月末に請求する
今回は、この流れを手作業中心の運用から、Webシステムでの半自動化に切り替えた事例をご紹介します。
導入前の課題:報告は「集めるだけ」で止まっていた
もともと、店舗ごとの在庫報告は手作業で集めて、表計算ソフトなどに転記していました。集めること自体はできるのですが、困っていたのは集めたあとでした。
- 報告がどんどん溜まるだけで、整理されていない
- 「どの店が・いつ・何を・いくつ」報告したかを、人が目で追って確認
- 前回いくつ納品したか、今いくつ残っているかは別の表を行ったり来たり
- 結局、納品数はベテラン担当者の頭の中(=勘)で決めていた
つまり、報告を集めるところで止まっていて、その先の「数を決める」作業は全部人任せだったのです。報告が増えるほど作業も増える。担当者が休むと回らない。これが限界でした。
やったこと①:報告をWebで入力できるようにした
まず、店舗が在庫を入力できる専用のWeb画面を用意しました。
ポイントは、店舗のスタッフにIDやパスワードを覚えてもらわないこと。専用のURLをブックマークしておけば、開くだけでいつもの入力画面に入れるようにしました。普段の手入力と同じくらい手軽なので、現場が嫌がりません。
やったこと②:納品数を「自動でおすすめ」するようにした
ここが一番のポイントです。ベテランの頭の中にあった「数を決めるコツ」を、できるだけシステムに置き換えました。
具体的には、納品の準備をする画面で、商品ごとに次の3つを自動で並べて表示します。
- 今、店舗にいくつ残っているか(最新の在庫報告)
- 前回いくつ納品したか
- その店舗の「いつもの数」(あらかじめ登録しておく)
この3つが並んでいれば、「前回これだけ入れて、今これだけ残っている=だいたいこのペースで売れている」と一目で分かります。担当者はゼロから考えるのではなく、おすすめされた数を見て微調整するだけ。これだけで、毎朝の負担と「あの人しか分からない」状態が一気に減りました。
やったこと③:在庫報告から請求まで一本の流れに
さらに、在庫報告を入口にして、その後の書類作成までつなげました。
在庫報告 → 納品数の確定 → 納品書をボタンひとつでPDF出力 → 月末の締め・請求まで自動集計
これまでは、各ステップの間に必ず「人が転記する作業」が挟まっていました。そこを全部なくせたのが、一番喜ばれた部分です。
導入後、こう変わりました
| 導入前 | 導入後 | |
|---|---|---|
| 在庫報告 | 報告がバラバラに溜まる | 店舗・日付ごとに整理して保存 |
| 納品数の決定 | ベテランの勘・属人化 | おすすめを微調整するだけ |
| 書類作成 | 集計して手で作成 | 納品書・請求書を自動で作成 |
| 引き継ぎ | 担当者が休むと止まる | 誰でも対応できる |
同じことで困っていませんか?
「在庫を集めるところまではできている。でも、その先が手作業のまま」──もしそう感じているなら、今回の方法がそのまま当てはまるかもしれません。
大事なのは、いきなり「全部自動化」を目指さないことです。まずはベテランの判断を“おすすめ+微調整”に変えるだけで、現場はぐっと楽になります。
「うちの場合はどこまでできる?」という段階のご相談でも大丈夫です。今の業務の流れを聞かせていただければ、どこを仕組みにすれば一番効くかを一緒に整理します。お気軽にご相談ください。