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リプレイス・レガシー脱却 運用保守・トラブル対策 公開日2026.10.16

ドメイン移管の注意点|制作会社から自社管理に戻す手順とトラブル7つ

ドメイン移管の注意点と手順

制作会社や開発会社を乗り換えるとき、意外と後回しにされるのがドメインです。
「サイトもメールも動いているから大丈夫」と思っていたら、ドメインの名義が前の会社のままだった。
そんな相談は珍しくありません。

ドメインは、ホームページのURLと会社のメールアドレスの両方を支える土台です。
移管の手順を一つ間違えると、サイトが表示されない、メールが届かないといった事態が起きます。

この記事では、ドメイン移管の注意点を、制作会社・開発会社から自社管理に戻すケースを中心に整理します。
よくあるトラブル、ドメインの種類ごとの違い、手順、費用、移管前のチェックリストまで1本でまとめました。

なお、システム本体の引き継ぎ手順はシステム開発の引き継ぎの進め方で解説しています。
この記事では、ドメインとそれにつながるDNS・メール・SSLに絞って説明します。

目次

ドメイン移管とは|乗り換え前に知っておく4つの手続き

ドメイン移管とは、ドメインを管理する事業者(レジストラ)を別の事業者に移す手続きです。
ただ、現場で「移管」と呼ばれている作業には、実は性質の違う手続きが混ざっています。

どの手続きが必要かを最初に切り分けることが、ドメイン移管で失敗しない一番の近道です。
必要な手続きを取り違えると、移管が終わったのに名義は前の会社のまま、ということが起きます。

手続き何が変わるかよくある場面
レジストラ移管(事業者移管)ドメインを管理する事業者制作会社が契約していた事業者から、自社契約の事業者へ移す
登録者情報の変更(名義変更)ドメインの持ち主として登録された名義登録者が制作会社や担当者個人になっている
管理アカウントの移動同じ事業者内で、どのアカウントで管理するか制作会社のアカウントにぶら下がっている
ネームサーバー(DNS)の変更ドメインの行き先を決める設定の置き場所サーバーを乗り換える、DNSを自社で管理する

たとえば同じ事業者のままでよければ、レジストラ移管は不要です。
アカウントの移動と名義変更だけで、自社管理に戻せることもあります。
逆に、サーバーも乗り換えるならネームサーバーの変更が別に必要です。

ドメイン移管でよくあるトラブル7つ

ドメイン移管のトラブルは、手続きそのものより「前提の確認漏れ」から起きます。
相談の多い7つを、起きることと対策に分けて整理しました。

トラブル起きること事前の対策
名義が制作会社・担当者個人移管や更新に前の会社の協力が必要になるWHOISや管理画面で登録者を確認する
認証コード(AuthCode)が出てこないレジストラ移管の申請ができない発行の依頼先と期限を先に決めておく
登録・移管から60日以内ルール上、事業者移管を受け付けてもらえない直近の登録日・移管日を確認する
有効期限が近い・切れている失効や、復旧に高額な費用がかかる期限まで余裕を持って着手する
DNSの設定漏れサイトが表示されない、メールが届かないDNSレコードを移管前に一覧で控える
SSL証明書の失効ブラウザに警告が出て、問い合わせが減るサーバー移行と同時に再発行の段取りを組む
前の会社と連絡が取れない手続きが止まり、更新もできなくなる取引が続いているうちに移管を済ませる

名義が制作会社や担当者個人になっている

一番多いのが、ドメインの登録者が自社ではないケースです。
制作を依頼したときに、制作会社が自社名義でまとめて取得していることがあります。
退職した社員の個人名義になっている例もあります。

名義が自社でないと、移管や名義変更に前の会社や本人の協力が欠かせません。
関係が良好なうちに手続きを済ませるのが、結果的に一番手間がかかりません。

認証コードと「60日ルール」

.comなどの一般的なドメイン(gTLD)を別の事業者に移すには、認証コード(AuthCode)が必要です。
AuthCodeは、ドメインごとに発行される移管用のパスワードのようなものです。
今の管理者に発行してもらいます。

gTLDには、登録や移管の直後は事業者移管ができない期間があります。
ICANN(ドメインの国際的な管理団体)のルールで、原則60日とされています。
登録者情報を変更した直後にも、移管が制限される場合があります。
ルールは改定されることがあるため、最新の条件は移管先の事業者に確認してください。

有効期限切れとSSL証明書の失効

ドメインの更新費用を前の会社がまとめて払っていた場合、取引終了とともに更新が止まることがあります。
更新されないまま期限が切れると、サイトもメールも使えなくなります。
第三者に取得されてしまうと、取り戻すのは非常に困難です。

SSL証明書も同じ構図です。
前の会社のサーバーで発行された証明書は、サーバーを移すと引き継げないことが多くあります。
期限が切れるとブラウザに「保護されていない通信」と表示され、問い合わせフォームの離脱につながります。

前の会社と連絡が取れない

取引が途絶えたあとで移管しようとして、相手と連絡が取れなくなるケースもあります。
担当者が退職している、会社が廃業しているといった理由です。

名義が自社であれば、管理している事業者に本人確認書類を出して手続きできる場合があります。
名義が相手の会社のままだと、手続きのハードルが大きく上がります。
連絡が取れるうちに名義を確認しておくことが、最大の予防策です。

DNSの設定漏れでメールが止まる

ドメイン移管で業務への影響が一番大きいのは、メールの停止です。
ネームサーバーを切り替えるときに、メール用の設定(MXレコード)を移し忘れると受信が止まります。
送信元の認証に使うSPF・DKIM・DMARCの設定が抜けると、送ったメールが迷惑メール扱いになります。

サイトは目で見て確認できますが、メールは「届いていないこと」に気づきにくいのが厄介な点です。
取引先からの連絡が数日止まって、初めて発覚することもあります。

ドメインの種類で変わる移管の注意点(gTLDとJPドメイン)

ドメイン移管の手続きは、ドメインの種類によって流れが変わります。
大きく分けると、.comなどのgTLDと、.jpや.co.jpなどのJPドメインの2系統です。

項目gTLD(.com / .net など)JPドメイン(.jp / .co.jp など)
事業者移管の呼び方レジストラ移管指定事業者変更
移管に必要なもの認証コード(AuthCode)とロック解除事業者ごとの承認手続き(認証方法は事業者により異なる)
移管できない期間登録・移管の直後は原則60日gTLDとは扱いが異なるため事業者に確認
名義のルール個人・法人どちらでも登録できる.co.jpは日本で登記された企業1社につき1つ
移管時の費用1年分の更新料がかかるのが一般的事業者によって無料〜更新料相当まで異なる

.co.jpは、登録できるのが日本で登記している会社本人に限られます。
そのため名義は自社でも、管理の窓口(アカウント)だけ制作会社が持っている、という形が多く見られます。
この場合は名義変更ではなく、管理窓口の付け替えが主な手続きになります。

JPドメインの指定事業者変更は、旧事業者・新事業者それぞれで承認の操作が必要になることがあります。
具体的な画面や必要書類は事業者によって違うので、移管先のマニュアルを先に読んでおきましょう。

自社のドメインの状況を調べる方法

ドメイン移管の準備は、今の状況を正しく知るところから始まります。
社内に資料が残っていなくても、次の方法である程度は調べられます。

調べたいこと調べ方見るポイント
登録者(名義)WHOISで検索する登録者名が自社か。非公開設定で見えないこともある
管理している事業者WHOISの「レジストラ」欄を見る事業者名をもとに、契約しているアカウントを探す
有効期限WHOISまたは管理画面で確認する期限まで1か月以上あるか
ネームサーバーWHOISの「ネームサーバー」欄を見る前の会社のサーバー名になっていないか
支払いの流れ経理の請求書や振込記録を探す更新料を誰に払っているかで、契約の主体が分かる

WHOISは、ドメインの登録情報を公開しているデータベースです。
JPドメインはJPRS(日本レジストリサービス)のWHOISで検索できます。
gTLDは、ICANNの検索サービスや各事業者のWHOIS検索で調べられます。

近年は、プライバシー保護のために登録者名を非公開にしているドメインが増えています。
その場合は、請求書の宛名や管理画面のログイン情報から、契約の主体をたどるのが確実です。

前の会社に移管を依頼するときの伝え方

移管がこじれる原因の多くは、技術ではなく依頼の仕方にあります。
必要な作業と期限を、相手が判断しやすい形で伝えることが大切です。

依頼するときは「何を・いつまでに・どこへ」を一度にまとめて伝えましょう。
やり取りが何往復もすると、それだけで数週間が過ぎてしまいます。

  • 対象:移管したいドメイン名(複数あればすべて)
  • 依頼する作業:ロック解除、認証コードの発行、名義変更への協力
  • 移管先:移管先の事業者名と、自社側の担当窓口
  • 期限:有効期限から逆算した希望日
  • あわせてほしいもの:現在のDNSレコードの一覧、メールアカウントの一覧

費用が発生する場合は、先に金額を提示してもらうよう伝えておくと、後から揉めずに済みます。
契約書に移管時の協力や費用の定めがあれば、その条項を示して依頼するとスムーズです。

ドメイン移管の手順|制作会社から自社管理に戻す7ステップ

ここでは、制作会社が管理しているドメインを自社契約の事業者に移し、サーバーも乗り換える場合の流れを示します。
サーバーを変えない場合は、ステップ5と6を省けます。

  1. 現状を調べる
    登録者名、管理している事業者、有効期限、ネームサーバーの場所を確認します。
  2. DNSレコードを控える
    A・CNAME・MX・TXTなど、今の設定をすべて一覧にして保存します。
  3. 前の会社に依頼する
    ロック解除と認証コードの発行、名義変更への協力を、期限を決めて依頼します。
  4. 移管先の事業者で申請する
    自社名義のアカウントを作り、移管を申請します。承認メールの受け取り先にも注意します。
  5. DNSを新しい場所に再現する
    控えたレコードを移管先に登録します。切り替え前に設定を見比べます。
  6. ネームサーバーを切り替える
    反映には最大で数日かかります。メールとサイトの両方を、時間をおいて確認します。
  7. SSLと周辺サービスを確認する
    証明書の再発行、Googleサーチコンソールなどの所有権確認を見直します。

ステップ2のDNSレコードの控えは、移管前に必ず取っておいてください。
前の会社のDNSサーバーが止まってから気づいても、元の設定を確認する手段がなくなるためです。

切り替え作業は、問い合わせが少ない曜日や時間帯に行うのが安全です。
TTL(設定がキャッシュされる時間)を事前に短くしておくと、問題が起きたときに戻しやすくなります。

ドメイン移管にかかる費用と期間

ドメイン移管そのものの費用は、それほど大きくありません。
費用がかさむのは、DNSやメール、サーバーの移行作業を外部に頼む場合です。

費用の項目目安補足
事業者移管の手数料1年分の更新料程度(数千円)が多いgTLDは移管と同時に有効期限が1年延びるのが一般的
前の会社の作業費無料〜数万円契約書に移管時の費用の定めがないか確認する
DNS・メールの移行作業外注すると数万円からメールアカウント数やレコードの数で変わる
サーバー移行・SSL再設定サイトの規模によるシステムを含む場合は別途見積もりになる

期間は、書類や認証コードがそろっていれば、gTLDのレジストラ移管で数日〜1週間程度が目安です。
前の会社とのやり取りに時間がかかると、1か月以上かかることもあります。
有効期限の1〜2か月前には着手しておくと安心です。

料金は事業者やドメインの種類によって変わるため、上の表はあくまで目安です。
申し込み前に、移管先の料金表で金額を確認してください。

サーバーやシステムも一緒に乗り換えるときの注意点

ドメイン移管は、サーバーやシステムの乗り換えと同時に行うことが多い作業です。
このとき、ドメインだけを先に動かすと、サイトやメールが一時的に宙に浮くことがあります。

ドメイン・サーバー・システムの切り替えは、順番と日付を一枚の計画にまとめて進めるのが安全です。
どれか一つの担当が別の会社に分かれていると、責任の所在があいまいになるためです。

自動送信メールにも注意が必要です。
問い合わせフォームやパスワード再発行のメールは、サーバーからドメイン名を名乗って送られます。
送信元の認証設定が新しい環境に合っていないと、メールが届かなくなります。

当社が担当した不動産管理会社様の会員サイトのリプレイスでも、もともと自動返信が届かないことがある状態でした。
担当者が手作業で補っていたため、作り直しでは送った結果を追える仕組みまで含めて設計しています。

この事例の詳細は、以下のページでご覧いただけます。

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ドメインだけでなく、データやソースコードを渡してもらえない場合はベンダーロックインの記事も参考にしてください。
データの取り戻し方は「データ人質」状態から脱却する方法で解説しています。

開発会社と連絡が取れなくなったケースは、開発会社が無くなったときの対処法で事例を交えて紹介しています。

ドメイン移管前のチェックリスト

移管を申し込む前に、次の項目を確認しておきましょう。
一つでも不明な点があれば、そこから調べるのが近道です。

  • ドメインの登録者(名義)は自社になっているか
  • どの事業者の、誰のアカウントで管理されているか
  • 有効期限はいつか(1か月以上の余裕があるか)
  • 直近60日以内に登録・移管・名義変更をしていないか(gTLDの場合)
  • ネームサーバーはどこにあるか(前の会社のサーバーかどうか)
  • DNSレコード(A・CNAME・MX・TXT)をすべて控えたか
  • メールはどのサービスで運用しているか(アカウント数も含めて)
  • SSL証明書はどこで発行し、いつ期限が切れるか
  • 前の会社との契約に、移管時の費用や協力義務の定めはあるか
  • 移管後の更新を、誰が担当するか決めたか

最後の「移管後の担当者」は見落とされがちです。
自社管理に戻したのに更新の連絡が誰にも届かず、期限切れになる例もあります。
更新の通知先は、個人ではなく共有のメールアドレスにしておきましょう。

ドメイン移管のよくある質問

Q. ドメイン移管中にサイトやメールは止まりますか?

レジストラ移管だけなら、ネームサーバーを変えない限り、基本的には止まりません。
止まりやすいのは、ネームサーバーやサーバーを同時に切り替えるときです。
DNSの設定を事前に再現しておけば、停止のリスクを小さくできます。

Q. 前の制作会社が認証コードを出してくれません。

まずは契約書を確認し、ドメインの名義と費用の負担が誰にあるかを整理します。
名義が自社であれば、管理している事業者に直接相談できる場合もあります。
名義が相手の会社にある場合は、話し合いでの解決が基本です。

Q. 有効期限が切れてしまったらどうなりますか?

期限切れの直後は、一定期間なら元の持ち主が取り戻せる猶予があるのが一般的です。
猶予期間の長さや復旧費用は、ドメインの種類や事業者によって違います。
期限を過ぎていたら、すぐに管理している事業者へ問い合わせてください。

Q. 移管と一緒にサーバーも変える必要はありますか?

必須ではありません。
ドメインの管理だけを自社に戻し、サーバーは今のまま使い続けることもできます。
サーバーの契約も前の会社の名義なら、あわせて見直すと管理がすっきりします。

Q. 似たドメインを複数持っています。すべて移管すべきですか?

会社名の別表記やキャンペーン用など、複数のドメインを持っている会社は少なくありません。
使っていないドメインでも、失効すると第三者に取得され、なりすましに使われるおそれがあります。
移管の機会に棚卸しをして、残すものはまとめて自社管理に移すのがおすすめです。

Q. 移管の作業は自社だけでできますか?

DNSの設定がシンプルで、メールも外部サービスを使っている場合は、自社だけで進められることも多いです。
システムやサーバーの乗り換えが絡む場合は、設定の再現や動作確認に専門知識が必要になります。
迷ったら、作業に入る前に現状の調査だけでも専門家に依頼すると安全です。

まとめ|ドメイン移管は「確認」と「控え」で9割決まる

ドメイン移管の注意点を、制作会社・開発会社から自社管理に戻すケースを中心に解説しました。

  • まず「事業者移管・名義変更・アカウント移動・DNS変更」のどれが必要かを切り分ける
  • 名義・有効期限・60日ルール・認証コードを、申し込み前に確認する
  • DNSレコードを移管前に控え、メールの設定(MX・SPFなど)を漏らさない
  • サーバーやシステムの乗り換えと同時なら、順番と日付を一枚の計画にまとめる

移管そのものより、事前の確認と設定の控えが成否を分けます。
取引が続いているうちに、前の会社の協力を得ながら進めるのが一番確実です。

株式会社みんなシステムズでは、開発会社の乗り換えにともなうシステムの引き継ぎや作り直しをお手伝いしています。
ドメインやサーバーの切り替えを含めた移行計画のご相談も承ります。
「今どこに何があるのか分からない」という段階からでも、お気軽にお問い合わせください。

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