「基幹システムがWindowsアプリだから、現場では何も入力できない」
「現場で紙に書いたものを、事務所のPCで打ち直すのが当たり前になっている」
こうした運用は、古くから基幹システムを使い続けている企業様によく見られる課題です。基幹システムそのものを入れ替えるのは大きなコストとリスクがかかるため、不便を感じながらも現状の運用を続けているケースが少なくありません。
今回は、Windowsアプリの基幹システムはそのまま残しながら、現場でも使えるWeb見積システムを新たに構築した事例をご紹介します。
導入前の課題:基幹システムがWindowsアプリで、現場では使えない
このお客様は、見積書や提案書を発行する際に、次のような運用をしていました。
- 現場(商品の売り場)で、見積内容を紙に書く
- 紙を事務所に持ち帰る
- 事務所のPCで、基幹システムに打ち直す
- 見積書を発行する
この運用になっていた根本的な原因は、基幹システムがオンラインでは使えないWindowsアプリだったことです。専用のPCからしか操作できないため、現場ではどうしても記録を残せず、紙でのメモと事務所での打ち直しが避けられない状態でした。
その結果、次のような問題が発生していました。
- 同じ内容を「紙→PC」と二度入力する手間がかかる
- 打ち直しの際に転記ミスが起こるリスクがある
- 現場でお客様を待たせ、見積提示までに時間がかかる
解決策:基幹システムは残したまま、Web見積システムを新規構築
今回のポイントは、基幹システムの入れ替えは行わず、現場用のWeb見積システムを別に構築したことです。
もともとWebのシステムではありませんでしたが、新しい見積システムはWebシステムとして開発し、スマホ・タブレット・PCのどのデバイスからでも利用できるようにしました。これにより、商品の売り場でその場で見積を行い、見積書を発行できるようになりました。
| 導入前 | 導入後 | |
|---|---|---|
| 見積の入力場所 | 事務所の専用PCのみ | 現場・売り場を含むどこでも(スマホ・タブレット・PC) |
| 現場での記録 | 紙にメモ | その場でシステムに直接入力 |
| 入力作業 | 紙→PCの二度手間 | 1回のみ |
| 見積書の発行 | 事務所に戻ってから | その場で発行可能 |
Windowsアプリの基幹システムとどう連携したか
CSVを使った双方向のデータ連携
基幹システムはそのまま残す方針のため、新しいWeb見積システムとの間でデータ連携の仕組みが必要でした。
そこで採用したのが、CSVを使った双方向の連携です。
- 基幹システム → Web見積システム:基幹システムが持つ商品などのマスター情報をCSVでエクスポートし、見積システムにインポート
- Web見積システム → 基幹システム:見積システムで作成した顧客情報・見積データをCSVで出力し、基幹システムに取り込み
この仕組みにより、基幹システムと連動しながら動くWebシステムを実現しました。現場で入力された見積や顧客の情報も、最終的には基幹システム側にきちんと蓄積されます。
なぜCSV連携を選んだのか
古いWindowsアプリの基幹システムは、APIなどの外部連携手段を持っていないことがほとんどです。一方で、CSVの入出力機能は備えているケースが多くあります。
CSV連携であれば、基幹システム側に改修を加えることなく、新しいWebシステムとデータをやり取りできるため、レガシーシステムとの連携手段として現実的かつ堅実な選択肢になります。
導入効果:転記ミスと二度手間が減り、どこでも見積が作れるように
システム導入によって得られた効果は、大きく次の3つです。
- 転記作業がなくなり、二度手間が解消された
- 打ち直しに伴う転記ミスが減少した
- Webアプリ化により、どこでも見積を作成・発行できるようになった
現場で完結する業務が増えたことで、見積業務全体の効率が大きく向上しました。
「基幹システムは変えられない」企業こそWeb化の余地がある
本事例のポイントは、基幹システムを入れ替えずに、現場業務だけをWeb化したことです。
基幹システムのリプレイスは、コスト・期間・業務影響のいずれも大きく、簡単には踏み切れません。しかし、次のようなアプローチであれば、リスクを抑えながら現場のDXを進めることができます。
- 基幹システムは既存のまま運用を継続する
- 現場で必要な機能(見積発行など)だけを、新しいWebシステムとして切り出す
- CSVなどの手段で、既存システムとデータ連携する
本事例のまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課題 | 基幹システムがWindowsアプリのため現場で使えず、紙→PCの打ち直しが発生 |
| 解決策 | スマホ・タブレット・PC対応のWeb見積システムを新規構築 |
| 連携方法 | CSVによる双方向連携(マスター取り込み/顧客・見積データの書き戻し) |
| 効果 | 転記・二度手間・転記ミスが減少し、どこでも見積を作成できるように |
レガシーな基幹システムとWebシステムの連携でお悩みの方へ
「基幹システムが古くて現場で使えない」「でもシステムの全面入れ替えは難しい」——そのような場合でも、既存システムを活かしたまま、現場向けのWebシステムを追加で構築するという選択肢があります。
- 現場やお客様先で、その場で見積書を発行したい
- WindowsアプリやオフラインのレガシーシステムとWebシステムを連携させたい
- 転記作業や二度手間をなくして、業務を効率化したい
こうしたお悩みをお持ちでしたら、ぜひみんなシステムズにお気軽にご相談ください。既存の基幹システムと業務フローを確認したうえで、無理のない連携方法をご提案いたします。