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COLUMN

コラム

2026.06.12 業務効率化

運営者が自分で設定できる管理画面|マスタ・スケジュール運用を運営側に任せる設計

抽選型のサービスを「運営者自身が回せる」状態にするには、何をどう作ればいいのか。

パチンコ・スロットの機種を抽選で表示するサービスの開発を担当した際、いちばん神経を使ったのが、この管理画面の設計でした。抽選の出方やスケジュールを、本部や各ホールの担当者がエンジニアに依頼せず自分で設定できること。ここが成立するかどうかで、サービスが運営側で回り続けるか、開発会社頼みで止まってしまうかが決まると考えていたからです。

この記事では、システム導入前にあった課題と、それをどんな設計・技術で解決したかを、実際の案件をもとに書いていきます。


目次

どんなサービスか

ユーザーが「パチンコ」か「スロット」を選ぶと、抽選画面が表示され、機種がランダムで表示される——という仕組みのサービスです。

機種が当選表示された瞬間にユーザーの位置情報(経度・緯度)を取得し、その機種が実際に打てる近隣の店舗を表示します。座標から都道府県・市区町村まで絞り込み、「その場で行ける店舗」へユーザーを誘導する導線まで作り込みました。

つまり、ただの抽選アプリではなく「抽選 → 来店」までを設計したサービスです。そして、この抽選の”出し方”を全部、運営側がコントロールできるようにしたのが今回のポイントになります。


導入前の課題:抽選の設定を「運営側に任せられない」

抽選型のサービスは、運用が始まると「設定を変えたい場面」が次々に出てきます。

  • 平日と週末で当たりの出方を変えたい
  • イベント日だけ出現率を上げたい
  • 時間帯(昼・夜)で出し方を分けたい
  • 店舗・拠点ごとに違うパターンを使いたい

こうした変更を、そのつど開発会社に依頼して直してもらう運用だと、次の問題が起きます。

  1. 変更のたびにコストと時間がかかる(依頼 → 作業 → 確認のリードタイム)
  2. 運営のスピードが開発側のリソースに縛られる(やりたいタイミングで動かせない)
  3. 店舗・拠点が増えるほど破綻する(依頼件数が増え続ける)

要するに、「運営を運営者に任せられない」こと自体が最大のボトルネックでした。ここを解消しないと、サービスとして長く続きません。


解決方法:設定をすべてマスタ化し、管理画面に寄せる

そこで、抽選ロジックそのものは固定したうえで、「どう出すか」のパラメータをすべてマスタ化し、管理画面から運営者が触れる形にしました。

管理画面で設定できるようにしたのは、主に次の項目です。

  • 抽選回数:1日1回 / 1日複数回
  • 出現率:10%・30%・60% など、パーセンテージで自由に指定
  • 適用時間:終日 / 開始時間を指定するタイムスケジュール
  • 適用日程:作ったスケジュールを「いつ使うか」を別途登録
  • 店舗(ホール)ごとの出し分け:拠点ごとに別パターンを適用

これにより、「平日昼は出現率を低め、週末のイベント時は高めに」といった運用を、運営側だけで完結できるようになりました。開発会社への依頼が要らなくなった、という状態です。

マスタとスケジュールを「分ける」設計にした

ここでの肝が、抽選パターン(マスタ)と、それをいつ使うか(スケジュール)を分離したことです。

  • 「出現率30%・1日3回」のような設定をパターン(マスタ)として登録しておく
  • そのパターンを、カレンダー上の日程に当てはめるだけで運用できる

こうすることで、同じ設定を何度でも使い回せて、毎回ゼロから設定し直す必要がなくなります。設定ミスも減り、「先週のイベントと同じ出し方」がワンタッチで再現できます。運営担当者が迷わず使えることを最優先に組みました。

データも運営側で見られるように

PV数・UU(ユニークユーザー)数の確認や、計測タグ(測定ID)の付与・登録も管理画面に内包しました。各ホールが自分の数字を自分で確認できる状態にしています。


このサービスの肝:アンケート × ログ → LINEセグメント配信

抽選そのものに加えて、もう一段踏み込んだのが配信の仕組みです。

抽選の前に、ユーザーにアンケート(性別・誕生日・年代・郵便番号など)に答えてもらい、属性情報として保存します。さらに「パチンコとスロット、どちらを抽選したか」といった行動ログも蓄積していきます。

このデータをLINEと連携させ、セグメント配信を実現しました。

狙いはシンプルです。欲しい人に、欲しい情報だけを届ける。 いらない情報まで配信され続けると、ユーザーは離れていきます。だからこそ、貯めた属性とログで配信対象を絞り込み、本当に届けたい層にだけ届く形にしました。「データを集める」で終わらせず、「集めたデータで配信を最適化する」ところまで作り込んだ、という案件です。


使用した技術

  • バックエンド:Laravel(PHP)
  • インフラ:AWS
  • 位置情報:緯度・経度の座標から都道府県・市区町村を判定する処理
  • 配信:LINE Messaging API(マルチキャスト等による大量配信+セグメント配信)

大変だったこと:LINEへの「大量送信」の作り込み

いちばん骨が折れたのは、LINE Messaging API での大量送信でした。

少人数に送るのと、数千・数万規模のユーザーへ破綻なく送るのは、まったくの別物です。マルチキャストなど配信系の仕様や制限を調べながら、セグメントごとに大量のユーザーへ確実に届く実装へ作り込んでいきました。

ここは前例をなぞれば終わる作業ではなく、APIの仕様・制約を一つずつ確認しながら設計していく必要があり、時間をかけたところです。結果として、欲しい層に・欲しい情報を・大量配信できる形を実現できました。


工夫したこと

  • 運営者が迷わないUI:抽選回数・出現率・時間・日程を「パターン」として組み、それを日程に当てはめるだけで運用できる流れにした
  • マスタとスケジュールの分離:設定を使い回せて、運用ミスを減らせる構造にした
  • 運営側で数字を見られる設計:PV/UU・計測タグを管理画面に統合し、各ホールが自走できる状態にした
  • データを配信に直結:アンケートとログを”貯めるだけ”にせず、LINEセグメント配信まで一気通貫でつないだ

こんな課題をお持ちではないですか

最後に、もしひとつでも当てはまるものがあれば、今回の事例がそのまま参考になるはずです。

  • 抽選やキャンペーンの設定を、毎回開発会社に依頼していて、時間もコストもかかっている
  • 店舗・拠点ごとに違う出し方をしたいのに、仕組みが追いついていない
  • 集めたユーザーデータを**「貯めるだけ」**で、配信や来店促進に活かせていない
  • LINE等で配信はしているが、全員に同じ内容を送ってしまっている

これらは、管理画面の設計と、マスタ・スケジュール構造の作り込みで解決できる課題です。「運営を自分たちで回したい」「集めたデータを配信に活かしたい」——そう感じている事業者の方は、お気軽にご相談ください。

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