「システムが完成したら、あとは使うだけ」――こう思っている方は少なくありません。しかし、実際にはシステム開発は「作って終わり」ではなく「作ってからがスタート」です。
リリース後に見つかる想定外の不具合、業務フローの変更に伴う機能追加、セキュリティアップデート、サーバーの安定稼働の維持――システムを安全に使い続けるためには、継続的なメンテナンスが不可欠です。
にもかかわらず、保守運用のことを開発段階で考えていない企業は意外と多いです。その結果、「システムが壊れても直す人がいない」「改善したいけど誰に頼めばいいか分からない」という状態に陥ります。
本記事では、システム開発後の保守運用とは何か、なぜ重要なのか、そしてどのような保守体制を選ぶべきかを解説します。
保守運用とは何か?具体的に何をするのか
システム開発後の保守運用は、大きく分けて「保守」と「運用」の2つに分かれます。
保守=システムを「直す・改善する」
不具合の修正:リリース後に発見されたバグの修正
機能追加・改善:業務の変化に合わせた新しい機能の追加や既存機能の改善
セキュリティ対応:脆弱性の修正やセキュリティアップデートの適用
環境対応:OSやミドルウェアのバージョンアップへの対応
運用=システムを「安定して動かし続ける」
サーバー監視:システムが正常に動作しているかを24時間監視
バックアップ:データの定期的なバックアップと復旧テスト
パフォーマンス管理:データ量の増加に伴う処理速度の維持
問い合わせ対応:お客様からの操作に関する質問対応
「作って終わり」にするとどうなるか
リスク①:不具合が放置される
どんなに丁寧にテストしても、システム開発後のリリースで不具合が見つかることはあります。保守契約がなければ、不具合を修正してもらうために都度見積もりを取り、契約を結び直す必要があります。対応までに数週間かかることもあり、その間業務に支障が出続けます。
リスク②:改善要望を出す先がない
実際にシステムを使い始めると、「ここをもう少しこうしたい」という要望が必ず出てきます。保守体制がなければ、改善要望を出す先がなく、「不便だけど仕方がない」と諦めるしかありません。これは#11の属人化記事でも触れた「現場の諦め」と同じ構造です。
▶ 属人化リスクと対策について詳しくはこちら(公開後にリンク設定)
リスク③:セキュリティリスクが高まる
Webシステムは常に外部からの攻撃にさらされています。セキュリティアップデートを適用しなければ、脆弱性を突かれて情報漏洩が起きるリスクがあります。顧客情報を扱うシステムであれば、被害は甚大です。
リスク④:属人化の二次被害
保守を外部の個人エンジニアに一任している場合、その人が辞めたり忙しくなったりすると保守が止まります。これはまさに#11で解説した属人化の問題です。保守体制を「組織」で持つことで、一人に依存しない安定した運用が可能になります。
システム開発会社の保守体制:3つの選択肢
選択肢①:開発した会社にそのまま保守を依頼する(推奨)
システム開発の保守として最もスムーズな選択肢です。開発した会社はシステムの中身を熟知しているため、不具合の原因特定や改修対応が最も速くなります。開発から保守まで一貫して任せることで、「この機能はなぜこう作ったのか」という背景知識を活かした改善提案も受けられます。
選択肢②:別の保守専門の開発会社に依頼する
開発した会社が保守を提供していない場合や、保守費用が高い場合の選択肢です。ただし、別の会社に移管する際にはシステムの引き継ぎが必要であり、引き継ぎのコストと時間がかかります。また、開発背景を知らない会社が保守を担当するため、改修の精度が落ちるリスクがあります。
選択肢③:自社で保守する
社内にIT担当者がいる場合の選択肢です。ただし、一人のIT担当者に保守を一任すると属人化のリスクが生まれます。また、開発言語やフレームワークに精通した人材が必要であり、中小企業にとってはハードルが高い選択肢です。
保守費用の相場
中小企業向けのシステム開発後の保守費用の一般的な相場は、以下の通りです。
月額5万〜15万円:基本的な不具合対応、問い合わせ対応、サーバー監視
月額15万〜30万円:上記に加えて、月数時間の機能改善・追加を含む
月額30万円以上:大規模システム、24時間対応、SLA付き
保守費用は「コスト」ではなく「保険」です。何かあったときにすぐ対応してもらえる体制があることは、事業継続の観点から大きな価値があります。
事例:保守体制の整備が「社員のエンゲージメント向上」につながった
ある金融サービス企業では、知人のエンジニア一人にシステム保守を全面的に依存していました。そのエンジニアが忙しくなると改修が止まり、現場には「不便だけど仕方がない」という空気が漂っていました。
みんなシステムズに開発会社として保守体制ごと移管したことで、改修対応がスピーディーになり、社員に「改善したいことがあれば何でも提案してほしい」と呼びかけられるように。実際に社員の声がシステムに反映されるようになると、「言えば会社は変わる」という信頼感が生まれ、社員のエンゲージメントが向上するという嬉しい副産物がありました。
保守契約で確認すべき5つのポイント
対応範囲:不具合修正だけか、機能改善も含むか
対応時間:問い合わせから何時間以内に一次回答があるか
月額費用:何が含まれていて、追加費用が発生するのはどんなときか
契約期間:最低契約期間はあるか、途中解約は可能か
データの扱い:契約終了時にデータはどうなるか
まとめ
システムは「作って終わり」ではありません。「作ってからが本番」です。保守運用の体制が整っていることで、不具合への迅速な対応、業務変化に合わせた改善、セキュリティの維持が可能になります。開発会社を選ぶ際は開発力だけでなく保守体制も含めて評価することが、長期的な成功につながります。
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