FAX業務をなくしたいと思っても、取引先の都合でFAXを残さざるを得ない企業は少なくありません。
特に製造業、卸売業、医療、士業、不動産業では、注文書や申込書、契約書などのやり取りにFAXが残っているケースがあります。
そこで注目されているのが、FAX機を使わずに、インターネット上でFAXを送受信できるFAXクラウドサービスです。
FAXクラウドを使えば、受信FAXをPDFで確認したり、外出先から送信したり、社内で共有したりできます。紙の管理や出社確認を減らせるため、中小企業の業務効率化にも役立ちます。
この記事では、2026年時点で比較候補に入れやすいFAXクラウドサービス5選を紹介します。料金、機能、使いやすさ、向いている企業を整理しているので、自社に合うサービス選びの参考にしてください。
FAXクラウドサービスとは?
FAXクラウドサービスとは、FAX機やFAXボードなどの専用機器を使わず、インターネット経由でFAXを送受信できるサービスです。
受信したFAXはPDFなどのデータで確認でき、パソコン、スマートフォン、タブレットから閲覧できます。サービスによっては、メール転送、クラウド保存、OCR、API連携にも対応しています。
FAXを完全に廃止するのではなく、FAX業務をデジタル化する方法として、中小企業でも導入しやすいのが特徴です。
従来のFAX機との違い
従来のFAX機では、紙の出力、インク交換、機器の故障対応、設置場所の確保が必要でした。
一方でFAXクラウドなら、受信したFAXをデータで確認できます。外出先や在宅勤務中でも、メールや管理画面から内容を確認できます。
| 比較項目 | 従来のFAX機 | FAXクラウドサービス |
|---|---|---|
| 確認方法 | 紙で確認 | PDFや画像で確認 |
| 設置場所 | FAX機の設置が必要 | 基本的に不要 |
| 出社の必要性 | FAX確認のために出社が必要 | 外出先や自宅でも確認可能 |
| 保管方法 | 紙ファイルで保管 | データで保存・検索 |
| 共有方法 | コピーや手渡し | メール・チャット・クラウドで共有 |
| メンテナンス | 紙・インク・故障対応が必要 | サービス側で管理 |
特に効果が大きいのは、「FAXを見るためだけに出社している会社」です。受信確認をクラウド化するだけでも、現場の負担は大きく減ります。
FAXクラウドでできる主なこと
FAXクラウドサービスでは、主に次のようなことができます。
- FAX送信:PDFやWordファイルをアップロードして送信する
- FAX受信:受信FAXをPDFなどのデータで確認する
- メール転送:受信したFAXを指定メールアドレスへ送る
- データ保存:受信FAXをクラウド上に保管する
- 検索・履歴管理:過去の送受信履歴を確認する
- OCR連携:FAXの文字を読み取り、データ化する
- API連携:基幹システムやkintoneなどと連携する
FAXクラウドは、単にFAX機を置き換えるだけのサービスではありません。うまく活用すれば、受注処理、請求処理、書類管理の効率化にもつながります。
FAXクラウドサービスを比較する5つのポイント
FAXクラウドサービスは、料金だけで選ぶと失敗しやすいです。
月額料金が安くても、送信単価が高い場合があります。また、受信枚数が多い会社では、受信料金の有無が大きな差になります。
ここでは、導入前に確認したい5つのポイントを整理します。
1. 月額料金だけでなく総額で比較する
まず確認したいのは、月額料金、初期費用、送信料金、受信料金です。
FAXクラウドは、基本料金に無料枚数が含まれるタイプと、送信・受信ごとに従量課金されるタイプがあります。
- 初期費用はいくらか
- 月額料金はいくらか
- 送信1枚あたりの料金はいくらか
- 受信は無料か、枚数制限があるか
- 無料枚数を超えた場合の単価はいくらか
月額料金が安くても、自社の利用枚数では高くなる場合があります。導入前に、直近3か月から6か月の送受信枚数を確認しましょう。
2. 受信中心か、送信中心かを確認する
FAX業務は、会社によって使い方が大きく違います。
注文書を受け取ることが多い会社は、受信に強いサービスが向いています。見積書や請求書を送ることが多い会社は、送信料金が安いサービスを選ぶ必要があります。
| 利用タイプ | 重視するポイント | 向いているサービスの特徴 |
|---|---|---|
| 受信が多い | 受信無料・受信枚数の上限 | 受信無料、または受信無料枠が大きい |
| 送信が多い | 送信単価・送信無料枠 | 送信単価が安い、または定額送信がある |
| 少量利用 | 月額料金 | 基本料金が安い |
| 大量利用 | 安定性・管理機能 | 法人向けプランや個別見積もりがある |
自社がどのタイプかを整理すると、候補を絞りやすくなります。
3. 既存のFAX番号を引き継げるか確認する
FAX番号を変えると、取引先への案内、名刺、帳票、Webサイトの修正が必要になります。
そのため、今のFAX番号をそのまま使いたい場合は、番号移転に対応しているかを必ず確認しましょう。
- 現在の番号が移転できる番号か
- 移転にかかる期間はどのくらいか
- 移転手数料はいくらか
- 切り替え中にFAXが止まらないか
番号移転の可否は、サービスによって条件が違います。契約前に、現在の番号を伝えて確認するのがおすすめです。
4. セキュリティと管理機能を確認する
FAXでは、契約書、注文書、請求書、個人情報を含む書類を扱うことがあります。
そのため、安さだけでなく、セキュリティと管理機能も重要です。
- 通信が暗号化されているか
- 送受信履歴を確認できるか
- ユーザーごとの権限設定ができるか
- 誤送信防止機能があるか
- データの保管期間を確認できるか
- 法人利用に必要な管理機能があるか
医療、士業、不動産、金融に近い業務では、セキュリティを料金より優先して確認することが大切です。
5. システム連携やOCRに対応できるか確認する
FAXクラウドを導入する目的が業務効率化なら、システム連携も重要です。
受信したFAXを確認するだけでなく、注文データとして登録したり、担当者へ自動通知したりできると、作業時間を減らせます。
- Google Driveに自動保存できるか
- SlackやTeamsへ通知できるか
- kintoneやSalesforceと連携できるか
- OCRで文字を読み取れるか
- API連携に対応しているか
注文書や申込書を手入力している会社は、FAXクラウドとOCR、業務システム連携をセットで考えると効果が出やすくなります。
【2026年版】FAXクラウドサービス比較5選
ここからは、2026年時点で比較候補に入れやすいFAXクラウドサービスを5つ紹介します。
個人事業主や小規模企業向けのサービスから、法人のFAX業務管理に向いたサービスまで、それぞれ特徴が違います。
| サービス名 | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| eFax | 知名度が高く、送受信の無料枠がある | はじめてFAXクラウドを導入する企業 |
| jFax | 小規模利用向けで料金がわかりやすい | FAX枚数が少ない個人事業主・小規模企業 |
| MOVFAX | 受信中心の運用に向いている国産サービス | 注文書や申込書の受信が多い企業 |
| 03FAX | スマホ利用と番号移転に対応 | 外出先でもFAXを確認したい企業 |
| まいと〜く Cloud | 法人向けのFAX業務管理に強い | 部署管理や誤送信防止を重視する企業 |
eFax|知名度が高い定番のインターネットFAX
eFaxは、インターネットFAXの中でも知名度が高いサービスです。メールやスマートフォンからFAXを送受信できるため、初めてFAXクラウドを導入する企業でも使いやすいです。
- 送信・受信それぞれに無料枠がある
- 全国主要都市の市外局番に対応
- メールでFAXを送受信できる
- スマートフォンから確認しやすい
向いている企業:有名なサービスを選びたい企業、少量から中量のFAXを扱う企業
注意点:無料枠を超えた場合は、送受信ごとに追加料金が発生します。利用枚数が多い場合は、総額で比較しましょう。
jFax|小規模利用に向いた低コストサービス
jFaxは、FAXの利用枚数が少ない企業や個人事業主に向いたサービスです。
月額料金が比較的わかりやすく、送信と受信に無料枠があります。大量利用よりも、少量のFAXを低コストで運用したい場合に向いています。
- 小規模利用向けの料金体系
- 受信と送信に無料枠がある
- メール中心で操作しやすい
- 東京03番号や050番号を利用できる
向いている企業:FAX枚数が少ない企業、個人事業主、コストを抑えたい企業
注意点:法人向けの高度な管理機能や大規模運用を重視する場合は、他サービスも比較しましょう。
MOVFAX|受信FAXが多い企業に向いた国産サービス
MOVFAXは、日本テレネットが提供するインターネットFAXです。受信中心の運用に向いており、注文書や申込書をFAXで受け取る企業に適しています。
- 受信中心の運用と相性が良い
- 国産サービスで日本語サポートを受けやすい
- Web上でFAXを管理できる
- 送信・受信の履歴を確認しやすい
向いている企業:受信FAXが多い企業、注文書や申込書をFAXで受け取る企業
注意点:送信枚数が多い場合は、送信料金を含めた総額を確認しましょう。
03FAX|スマホでFAXを使いたい企業に向いている
03FAXは、スマートフォンでFAXを送受信しやすいサービスです。外出先や在宅勤務中でもFAXを確認したい企業に向いています。
受信料金が無料で、番号移転にも対応しています。条件が合えば、現在のFAX番号をそのまま使える可能性があります。
- スマートフォンでFAXを確認しやすい
- 受信料金が無料
- 番号移転に対応
- 送信定額オプションがある
向いている企業:外出が多い企業、スマホ中心でFAXを確認したい企業、小規模事業者
注意点:送信料金は通信時間で計算されます。送信が多い会社は、定額オプションを含めて確認しましょう。
まいと〜く Cloud|法人のFAX業務管理に強い
まいと〜く Cloudは、法人向けのクラウドFAXサービスです。FAX業務をチームで管理したい企業や、誤送信防止を重視する企業に向いています。
個人向けのインターネットFAXよりも、管理機能や法人利用を前提とした運用に強い点が特徴です。
- 法人向けの管理機能がある
- WebブラウザーでFAXを一元管理できる
- 誤送信防止などの機能を利用できる
- 業務システム連携に対応しやすい
向いている企業:FAX業務を部署で管理したい企業、受発注業務を効率化したい企業
注意点:個人向けサービスより月額料金は高めです。少量利用より、法人の業務改善向けとして検討しましょう。
主要5サービスの料金・特徴比較表
以下は、主要5サービスの料金と特徴を比較した表です。料金は変更される可能性があるため、契約前には必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
| サービス名 | 月額料金の目安 | 送信料金の目安 | 受信料金の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| eFax | 月額制 | 無料枠超過後は従量課金 | 無料枠超過後は従量課金 | 知名度が高く、はじめてでも使いやすい |
| jFax | 低コスト帯 | 無料枠超過後は従量課金 | 無料枠超過後は従量課金 | 小規模利用に向いている |
| MOVFAX | 低コスト帯から利用可能 | 従量課金 | 一定枚数まで無料 | 受信中心の運用に向いている |
| 03FAX | 低コスト帯から利用可能 | 通信時間に応じて課金 | 無料 | スマホ利用や外出先対応に強い |
| まいと〜く Cloud | 法人向け料金 | プランにより異なる | プランにより異なる | 管理機能と業務連携に強い |
料金比較では、月額料金だけでなく「送信枚数」「受信枚数」「超過料金」をセットで見ることが重要です。
用途別に見るおすすめのFAXクラウドサービス
FAXクラウドサービスは、業種や使い方によって向いているサービスが変わります。
ここでは、用途別に選び方を整理します。
個人事業主・小規模企業ならeFax、jFax、03FAX
FAX枚数が少ない場合は、料金がシンプルで始めやすいサービスが向いています。
- eFax:知名度と使いやすさを重視したい場合
- jFax:少量利用でコストを抑えたい場合
- 03FAX:スマホで確認したい場合
まずは無料トライアルや低コストプランで試し、実際の業務に合うか確認しましょう。
受注FAXが多い企業ならMOVFAXやまいと〜く Cloud
注文書や申込書をFAXで受け取る会社では、受信管理のしやすさが重要です。
受信したFAXを一覧で確認できるか、担当者へ共有しやすいか、検索しやすいかを確認しましょう。
- 受信FAXをPDFで管理したい
- 部署内で受信内容を共有したい
- 注文書を後から検索したい
- 受信後の処理をシステム化したい
受信FAXが多い会社ほど、管理画面の使いやすさが重要になります。
FAX業務を自動化したいならOCR・API連携を重視する
FAXクラウドを導入するだけでは、確認作業がデジタルになるだけです。
さらに効率化するには、OCRやAPI連携を使い、受信後の処理まで自動化する必要があります。
- 受信FAXをOCRで読み取る
- 注文内容をシステムへ登録する
- 担当者へ自動通知する
- Google Driveへ自動保存する
- kintoneや販売管理システムへ連携する
特に、受注入力を手作業で行っている企業では、FAXクラウドと業務システム連携を組み合わせることで、作業時間を大きく削減できます。
注意点:BizFAXは新規導入の候補から外すのが安全
以前は、BizFAXも法人向けFAXサービスの候補として紹介されることがありました。
しかし、2026年時点では新規申込受付が終了しています。そのため、これからFAXクラウドを導入する企業向けの比較記事では、メイン候補として紹介しない方がよいでしょう。
既存利用者にとっては関係があるサービスですが、新規導入を検討している読者には、現在申し込めるサービスを紹介する方が親切です。
FAXクラウド導入前のチェックリスト
FAXクラウドを導入する前に、次の項目を確認しておきましょう。
現在のFAX利用状況を確認する
- 月間の送信枚数
- 月間の受信枚数
- 利用しているFAX番号の数
- FAXを使う部署と人数
- 紙・インク・回線費用の合計
- FAX確認のために発生している作業時間
現在の利用状況を整理しないまま選ぶと、料金プランの比較ができません。
まずは、自社がどれくらいFAXを使っているかを見える化しましょう。
番号移転の可否を確認する
今のFAX番号をそのまま使いたい場合は、番号移転の条件を必ず確認します。
- 現在の番号が移転対象か
- 移転に必要な書類は何か
- 切り替えまで何日かかるか
- 切り替え中にFAXが止まらないか
- 手数料はいくらか
番号が変わると、取引先への案内や帳票修正の手間が発生します。重要な確認ポイントです。
無料トライアルで現場担当者が試す
FAXクラウドは、比較表だけでは使いやすさがわかりません。
画面の見やすさ、通知のわかりやすさ、PDFの品質、送信エラー時の表示などは、実際に使って確認する必要があります。
- 受信FAXが見やすいか
- 送信操作がわかりやすいか
- スマートフォンで確認しやすいか
- 社内共有しやすいか
- サポートに相談しやすいか
導入を決める前に、実際に使う担当者が試すことが失敗防止につながります。
まとめ:FAXクラウドは「料金」より「使い方」で選ぶ
FAXクラウドサービスを選ぶときは、料金だけで判断しないことが大切です。
受信が多いのか、送信が多いのか。少量利用なのか、複数部署で使うのか。業務システムと連携したいのかによって、選ぶべきサービスは変わります。
| 目的 | おすすめ候補 |
|---|---|
| 知名度のある定番を選びたい | eFax |
| 少量利用で安く始めたい | jFax |
| 受信FAXを効率化したい | MOVFAX |
| スマホでFAXを使いたい | 03FAX |
| 法人向けにFAXを管理したい | まいと〜く Cloud |
FAXは古い業務に見えますが、取引先との関係で残さざるを得ない場合もあります。
その場合は、FAXを無理に廃止するのではなく、FAXを残しながら、紙・出社・手入力の負担を減らすことが現実的です。
「どのFAXクラウドを選べばよいかわからない」「受信FAXを業務システムと連携したい」「FAX業務をもっと効率化したい」という場合は、株式会社みんなシステムズへご相談ください。
株式会社みんなシステムズでは、中小企業向けに、業務システムの開発や既存業務のデジタル化をサポートしています。
FAX業務の見直しから、クラウド化、OCR連携、受注管理システムとの連携まで、現場に合った形でご提案します。