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AI活用 開発事例・実績 公開日2026.10.02 更新日2026.10.04

提案書の自動作成システムを自社開発|要望を入力するだけで見積と提案書をAIが作成

目次

はじめに

提案書の自動作成は、受託開発を行う私たち自身が長く抱えてきた課題でした。お客様からシステム開発のご相談をいただくたびに、ヒアリングの内容を整理し、見積を計算し、提案書を一から作る。この作業に毎回かなりの時間を取られていました。

そこで、自社の営業向けに「要望を入力するだけで、見積と提案書をまとめて作る仕組み」を開発しました。機能ごとの作業量を入力すると3つのプランの概算見積が自動で計算され、その内容をもとに生成AIが10枚構成の提案書を作成します。さらに、機能ごとの画面イメージまでAIで作れます。

この仕組みを使った場合、1件あたり約4時間かかっていた提案書の作成が、約30分に短縮できる見込みです。ご相談をいただいた当日に、見積と提案書をそろえてお返しすることも想定しています。

本記事では、この提案書作成システムで何ができるのか、開発で何に手間をかけたのかをご紹介します。

※数値は想定値です。

提案書作成システムがなかった頃の課題

毎回ゼロから作るので時間がかかる

システム開発の提案書は、案件ごとに内容が大きく変わります。お客様の業種も、欲しい機能も、予算感も違うため、過去の提案書をそのまま使い回すことはできません。結局、ヒアリングメモを見返しながら、表紙から料金のページまで毎回作り直していました。営業担当がほかの業務と並行して作るため、提出まで数日かかることも珍しくありませんでした。

見積と提案書の数字がずれる

見積は表計算ソフトで計算し、提案書は資料作成ソフトで別に作る。この2つを行き来するうちに、「見積を直したのに提案書の金額が古いまま」というずれが起きがちでした。お客様に出す数字が食い違えば、信頼を損ないかねません。提出前の確認にも時間がかかっていました。

プランの比較表を手で作るのが大変

予算に合わせて選んでいただけるよう、機能の範囲を変えた複数のプランを出すことがあります。ただ、プランごとに機能を振り分けて合計を計算し、比較表にまとめる作業は手間がかかります。プランを1つ変えるたびに、すべての合計を計算し直す必要がありました。

打ち合わせで画面のイメージを見せられない

「どんな画面になるのか分からない」というのは、システム開発を検討するお客様がよく抱く不安です。とはいえ、契約前の段階で画面イメージまで作るのは負担が大きく、文章と箇条書きで説明するしかありませんでした。

作る人によって品質がばらつく

提案書の構成や書き方は担当者の経験に左右されます。慣れた担当者なら分かりやすい資料が作れますが、そうでなければ抜け漏れが出ることもあります。提案の品質が人に依存している状態でした。

提案書を自動作成する仕組み

開発した提案書作成システムでは、営業担当は次の4つのステップで提案の準備を終えられます。

ステップ1:案件の要望と機能を入力する

まず、お客様の情報、案件の概要、ヒアリングで聞いた要望を入力します。続けて、必要な機能を「機能のまとまり」ごとに登録します。機能ごとに、作業量の目安(少なめ〜多め)と、どのプランに含めるかを選ぶだけです。

ステップ2:3つのプランの概算見積を自動で計算する

入力した内容から、基本・標準・全部入りの3つのプランについて、概算の見積額を「○円〜○円」の幅で自動計算します。上位のプランには下位のプランの機能が自動で含まれるため、プランごとに手で振り分ける必要はありません。見積は表計算ソフトのファイルとして出力でき、全体の見積とプラン別の明細を確認できます。

ステップ3:10枚構成の提案書をAIが作成する

ボタンを押すと、入力した案件情報をもとに生成AIが提案書を作成します。構成は次の10枚です。

  1. 表紙
  2. 案件の概要
  3. システムの全体像
  4. 主な機能
  5. 開発の進め方
  6. 料金プラン
  7. 開発スケジュール
  8. サポート体制
  9. 次のステップ
  10. お問い合わせ先

料金プランのページには、ステップ2で計算した見積がそのまま入ります。内容が気に入らなければ作り直すこともでき、作り直す前の提案書も残ります。

ステップ4:機能ごとの画面イメージを作り、言葉で直す

登録した機能ごとに、画面のイメージもAIで作成できます。「ボタンをもっと大きく」「一覧に日付の列を足して」のように、直したい点を文章で伝えるだけで修正されます。完成した画面イメージは、その場で確認したりファイルとして持ち出したりできるので、打ち合わせで見せられます。

打ち合わせの場で使う場合

たとえば、初回の打ち合わせでお客様の要望を聞きながら機能を登録していけば、その場で3プランの概算を示せます。「この機能を外すといくら下がるか」といった質問にも、プランへの振り分けを変えるだけで答えられます。持ち帰って資料を作り、後日あらためて説明する、という往復を減らせるのが大きな利点です。

導入前と導入後の比較

作業 これまで 提案書作成システム
見積の計算 表計算ソフトで手計算 機能を入力すると自動計算
プランの比較 プランごとに手で集計 3プランを同時に計算
提案書の作成 毎回ゼロから手作り AIが10枚構成で自動作成
見積と提案書の整合 転記ミスのおそれ 同じ入力から作るのでずれない
画面イメージ 用意できない 機能ごとに作成、言葉で修正
作成時間(1件) 約4時間 約30分(想定)

※数値は想定値です。

技術面について

システムは、業務システムで広く実績のあるWebの技術で開発しています。提案書と画面イメージの作成には、信頼性の高い生成AIサービスを使いました。機能を後から足しやすい構成にしているため、提案書の書式や見積のルールが変わっても対応できます。

開発で手間をかけたこと

見積と提案書を「同じ入力」から作る

一番こだわったのは、数字の食い違いが起きない作りです。見積と提案書を別々に作ると、どこかで必ず転記の手間とミスが生まれます。そこで、機能と作業量の入力を一つにまとめ、見積の計算も提案書の料金ページも、すべてこの入力から作るようにしました。

見積を直せば提案書の金額も変わり、お客様に食い違った数字を出す心配がありません。営業担当は「どの資料が最新か」を気にせず、提案の中身を考えることに時間を使えます。

AIがうまく動かなくても、提案書は必ず出せる

生成AIは便利ですが、まれに思った形で文章を返さなかったり、混み合って応答が遅れたりすることがあります。提案の直前にそうなると、営業の仕事が止まってしまいます。

そこで、AIの作成に失敗した場合は、あらかじめ用意した標準の構成で提案書を自動で組み立てるようにしました。案件の概要、機能の一覧、3プランの見積、スケジュールといった中身は入力内容から作られるため、AIの調子に左右されず、提案書は必ず手元に届きます。「便利だけど、肝心なときに使えない」とならないことを優先しました。

入力の手間をできるだけ減らす

忙しい営業担当に毎回たくさんの項目を入力してもらうと、仕組みそのものが使われなくなります。そこで、必ず入力が必要な項目は要望の詳細だけに絞りました。案件の概要を空欄のままにしても、詳細の内容で自動的に補います。機能の作業量も、細かい時間ではなく「少なめ〜多め」の幅で入れれば足りるようにしています。

作り直しても前の版が消えない

AIに作り直しを頼むと、前の内容の方がよかったということもあります。そのため、提案書も画面イメージも、作り直すたびに版として保存するようにしました。過去の版に切り替えて表示でき、画面イメージは過去の版を起点に修正し直すこともできます。安心して何度でも試せるので、より良い提案を探りやすくなります。

営業担当とお客様のための工夫

専門知識がなくても使える

画面イメージを直すときに必要なのは、「どこをどう変えたいか」を文章で伝えることだけです。デザインや画面作りの知識がない営業担当でも、お客様との打ち合わせ内容をそのまま修正に反映できます。ある程度の形になってから専門のスタッフに引き継げるので、確認の手戻りも減らせます。

修正の経緯が残る

画面イメージには、どんな指示でどう直したかの履歴が残ります。「前回の打ち合わせで何を変えたか」を後から確認できるため、担当者が替わっても経緯を追えます。お客様との認識合わせにも役立ちます。

AIの利用料を記録する

生成AIは使った分だけ費用がかかります。そこで、AIを使うたびに、どの案件でどれだけ費用がかかったかを記録するようにしました。記録が残るので、費用を後から把握でき、使いすぎに気づけます。

見積はお客様の社内検討にそのまま使える

見積は表計算ソフトのファイルで出力でき、全体の見積に加えて、プランごとの明細が別々のシートに分かれています。お客様が社内で検討するときに、プランを見比べたり、必要な部分だけを抜き出したりしやすい形です。提案書とあわせてお渡しすれば、社内での説明にもそのまま使っていただけます。

案件ごとに担当者を管理できる

案件には担当者を登録でき、役割も記録できます。誰がどの提案を進めているかが一目で分かるため、複数の営業担当で案件を分担するときも混乱しません。

まとめ

提案書の自動作成システムを開発したことで、見積の計算から提案書、画面イメージまでを一つの流れでつなげました。数字の食い違いがなくなり、作成時間も大きく短縮できる見込みです。

「提案書や見積の作成に時間がかかっている」「担当者によって資料の品質がばらつく」といったお悩みは、多くの会社に共通するものです。今回の仕組みは、御社の提案書の書式や見積のルールに合わせて作ることもできます。

まだ具体的な要件が決まっていない段階でも構いません。「こんなことはできる?」という気軽なご相談から、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問

Q1. 自社の提案書の書式に合わせられますか?

はい、合わせられます。ページの構成、デザイン、会社情報など、御社でお使いの提案書に合わせて作れます。今お使いの提案書をお見せいただければ、それをもとにご提案します。

Q2. 見積の単価やプランの分け方は変えられますか?

変えられます。プランの数や名前、機能の振り分け方、作業量から金額を出すルールは、御社の見積の方法に合わせて設定します。

Q3. AIが作った内容をそのままお客様に出して大丈夫ですか?

AIが作るのはあくまで下書きです。担当者が内容を確認し、必要に応じて作り直しや修正をしたうえで提出する運用をおすすめしています。ゼロから作るより、確認と手直しの方がずっと早く済みます。

Q4. 開発にはどのくらいの期間がかかりますか?

機能の範囲によって変わります。今回の仕組みは、約1か月半で主な機能を形にしました。まずは小さく始めて、使いながら機能を足していく進め方も可能です。

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