「作業記録や取引のやり取りを、紙とExcelと電話で回すのが限界…」
「農業向けのシステムを試したけれど、自社のやり方に合わなかった…」
人手不足や経営規模の拡大を背景に、農業の現場でも業務システムの導入・開発に取り組む農業法人や企業が増えています。ただ、農業は現場ごとの違いが大きい産業のため、システム化には農業ならではの難しさがあります。
この記事では、農業の業務システム開発を検討している企業様・農業法人様に向けて、失敗しないためのポイントを5つに絞って解説します。開発前に整理したいチェックリストも用意しましたので、ぜひ最後までご覧ください!
農業の業務で、システム化できること
まずは、農業の業務で「そもそも何をシステム化できるのか」を整理しておきましょう。代表的なものを次の表にまとめました!
| 業務領域 | システム化できること |
|---|---|
| 生産管理 | 作業日誌・栽培記録・圃場ごとの管理をスマホで記録 |
| 販売・受発注管理 | 注文の受付から出荷・請求までの流れを一元管理 |
| 帳票・書類作成 | 報告書や請求書を、記録したデータから自動作成 |
| 労務管理 | パート・アルバイトの勤怠やシフトを管理 |
ポイントは、農業が「現場ごとの違い」がとても大きい産業だという点です。
作物、地域、販路、組織の形(個人農家・農業法人・企業との契約栽培)によって、業務の流れはまったく違います。そのため、既製の農業システムを入れても「うちのやり方に合わない」となりやすいのです。
ここが、開発(オーダーメイド)という選択肢を検討する理由になります。
農業の業務システム開発で失敗しないポイント
それでは本題です。農業分野のシステム開発のポイントは、次の4つに整理できます。
| ポイント | 確認すること |
|---|---|
| ① 現場で使えるシンプルさを最優先する | 農作業の合間に、スマホで迷わず入力できるか |
| ② 農業特有の業務の流れに合わせる | 季節・作物・販路など、自社の実態に合った設計か |
| ③ 小さく始めて段階的に広げる | 一番負担の大きい業務から着手する計画か |
| ④ 運用・保守まで考えておく | 導入後の定着支援や保守費用まで見えているか |
① 現場で使えるシンプルさを最優先する
農業システムで一番避けたいことは、「作ったのに現場で使われない」ことです。
農作業の合間に、屋外で、ときには手袋をしたまま入力する。使う人の年齢層も幅広い。オフィスワーク向けのシステムと同じ感覚で作ると、現場に定着しません。加えて、慣れないことを始めて、継続することはなかなかの負担です。スマホやPCの操作が苦手な方もいらっしゃるかと思います。
- 入力項目を最小限に絞る
- スマホでの操作を前提にする
- 文字入力の代わりに、選択式や写真での記録を活用する
機能の多さよりも、「毎日続けられるか」を基準に設計しましょう!
② 農業特有の業務の流れに合わせる
農業の業務は、一般的な業種とは流れが違います。
季節や天候で作業が変わる。作物ごとに管理する項目が違う。収穫量は事前に確定できない。こうした特性は、一般的な在庫管理や生産管理の考え方をそのまま当てはめると無理が出ます。
開発を依頼するときは、自社の1年間の業務の流れ(作付けから出荷・請求まで)を開発会社に伝えることが、設計の精度を大きく左右します。色々複雑で伝えづらい場合は、思いつくことを全て開発会社に話しましょう!あとで整理すれば大丈夫です!
③ 小さく始めて段階的に広げる
一番負担の大きい業務から小さく始めて、効果を確かめながら広げていくのが堅実です。たとえば「まずは作業記録と報告書類の自動作成だけ」といった始め方です。
ヒアリングの段階で必要な部分をお聞きし、優先度の高い機能やそれに応じた開発計画を提案してくれる開発会社は、発注側の予算とリスクを考えてくれている会社です。
④ 運用・保守まで考えておく
システムは作って終わりではありません。リリース後も次のような対応が発生します。
- 現場への定着支援(使い方の問い合わせ対応)
- 繁忙期のトラブル対応
- 通常のシステム保守(サーバー・セキュリティ対応)
特に農業は、収穫期にシステムが止まると影響が大きい業種です。見積もりの段階で、月々の運用コストとサポート体制まで確認しておきましょう。
開発前に整理したいチェックリスト
最後に、開発会社に相談する前に整理しておきたい項目をチェックリストにまとめました。
- どの業務の、どの作業が一番の負担かを洗い出したか
- 誰が使うか(年齢層・スマホへの慣れ)を確認したか
- 紙・Excelで何の情報を管理し、把握しているか
- 既製の農業システムで問題ないか
- 繁忙期・農閑期を踏まえた導入時期を検討したか
- 導入前に現場の声を聞く体制を作れるか
- 小さく始めて段階的に広げる計画になっているか
- 運用・保守(サポート・費用)まで確認ができているか
すべてそろっていなくても大丈夫です。「一番の負担がどこか」が分かるだけで、開発会社との相談がスムーズになります。
まとめ
農業の業務システム開発で失敗しないためのポイントを、4つに絞ってご紹介しました。
- ① 現場で使えるシンプルさを最優先する
- ② 農業特有の業務の流れに合わせる
- ③ 小さく始めて段階的に広げる
- ④運用・保守まで考えておく
農業のシステム開発は、「多機能であること」よりも「現場で毎日使われること」が大事です。当社でも農業分野の業務システム開発を手がけており、現場に合わせた設計の大切さを実感しております。
「紙とExcelの管理から抜け出したい」「既製のシステムが合わず、自社の業務に合った仕組みを作りたい」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください🌸