はじめに
株式会社みんなシステムズ営業の松永です。
「せっかく導入したシステムが使われない…」
「現場から不満の声が多い…」
「システムに合わせて業務を変更したら効率が下がった…」
このような悩みを抱えている企業は少なくありません。
本記事では、業務システムを開発する際に大切な考え方と、成功のためのポイントをご紹介します。
目次
システム開発の大きな勘違い
多くの企業が陥りがちな誤りは、「システムに業務を合わせる」という考え方です。
これには以下のような問題があります:
- 現場の経験やノウハウが活かされない
- 業務の手順が不自然になる
- 従業員の負担が増える
- 結果として、システムが使われなくなる
具体例:受注管理システムの場合
良くない例:
システムの仕様に合わせるため、これまで電話で行っていた得意先とのやり取りを全てメールに変更。
結果として、関係が疎遠になり、受注数が減少。
望ましい例:
電話での注文にも対応できる入力画面を用意し、得意先との関係は従来通りに維持。
システムは記録と管理のツールとして活用。
正しい考え方:業務にシステムを寄せる
システム開発で成功するためには、「業務にシステムを寄せる」という考え方が重要です。
このアプローチのメリット
現場の業務フローを活かせる
- 長年の経験で培われた効率的な作業手順を維持
- 従業員の習熟時間を短縮
- 顧客対応の質を保持
導入後の混乱を最小限に
- 大幅な業務変更が不要
- 段階的な改善が可能
- 従業員の抵抗が少ない
実務に即したシステムに
- 必要な機能が過不足なく実装
- 使いやすいインターフェース
- 実際の業務に役立つ機能
成功のための具体的なステップ
1. 現場の声を聞く(2~3ヶ月)
- 実際に業務を行っている人々への丁寧なヒアリング
- 日々の業務フローの詳細な把握
- 困っている点、改善したい点の洗い出し
ポイント
- 管理職だけでなく、実務担当者の意見も重視
- 部署間の連携も考慮
- 「当たり前」と思われている作業にも注目
2. システム開発チームの編成(1ヶ月)
必ず含めるべきメンバー:
- 現場の実務担当者
- システム開発の専門家
- プロジェクトマネージャー
- 各部署の責任者
3. 要件定義(2~3ヶ月)
- 現状の業務フローを詳細に文書化
- 改善したい点を明確化
- システムに求める機能を具体化
重要なポイント
- 「なぜその作業が必要か」を深く理解
- 例外的な処理も考慮
- 将来の拡張性も検討
4. プロトタイプの作成と確認(2~3ヶ月)
- 主要な機能の試作版を作成
- 現場での試用とフィードバック
- 必要に応じた修正と調整
5. 段階的な開発と導入(3~6ヶ月)
- 機能ごとに優先順位をつけて開発
- 小規模な部署や工程から試験導入
- 問題点の早期発見と修正
成功事例:製造業A社の場合
背景
- 生産管理システムの刷新が必要
- 現場の熟練作業者の高齢化
- 若手への技術伝承が課題
取り組み
- 現場作業者へのヒアリングを徹底(3ヶ月)
- 熟練者のノウハウをシステムに組み込み
- 現場での試用期間を十分に確保(2ヶ月)
- フィードバックを基に継続的な改善
結果
- システムの利用率98%を達成
- 生産効率が15%向上
- 若手の技術習得期間が30%短縮
よくある失敗とその対策
1. 現場を無視した開発
対策
- 開発の初期段階から現場担当者を参加
- 定期的な進捗確認会議の開催
- 現場からのフィードバックを重視
2. 一度に大きな変更を行う
対策
- 段階的な導入計画の策定
- 小規模なテスト運用から開始
- 問題点の早期発見と対応
3. コミュニケーション不足
対策
- プロジェクトの目的と進捗を定期的に共有
- 質問や意見を出しやすい環境作り
- 現場と開発者の直接対話の機会を設定
まとめ
成功する業務システム開発のポイント:
- 業務にシステムを寄せる
- 現場の声を重視する
- 段階的に進める
- 継続的な改善を行う
システム開発は、単なるIT化ではありません。現場の知恵とシステムの利点を組み合わせることで、本当の意味での業務改善が実現できます。
最後に一言:完璧なシステムを目指すのではなく、現場と共に成長していくシステムを目指しましょう。
(参考になったらSNSで拡散していただけると次回の記事作成のモチベーションになります!)